今週のHUNTER×HUNTERはいくらなんでもひどいと思います
吉富先生よりシリホソの標本を頂きました。
Bolitobius parasetiger Schulke, 1993
黄色い斑紋が綺麗。近似種のB. setigerとの区別点は腹部の末端節。
ちなみに下の写真がB. setiger。
写真のような二種類の斑紋の個体がいます。ちなみに右のオレンジ地が多い方が珍しく、左の黒地が多い方はよく見ます。
Mycetoporini族はLordithon属をはじめ斑紋や体色がよく変化するので同定の決め手にはなりません(無論ある程度参考にすることはありますが)。
下はB. parasetigerの雄の腹部末端節。雄であれば裏返せばすぐに同定できます。
もう一種
先生:「何だっけコレ。学名に"D"のつくやつ」
Derops属です。
一見するとシリホソハネカクシには見えませんが、記載以来あっちこっちを旅して現在の分類体系ではシリホソハネカクシ亜科に落ち着いています。
Derops okinawanus Y. Watanabe, 1985
沖縄本島の種。Derops属は日本には5種類いて、南西諸島では沖縄本島に生息する本種の他に八重山の種はD. yaeyamanusとして別種になっています。
■D. coreanus (Y. Watanabe, 1969) カンコクホソミズギワ-【対馬】
■D. japonicus (Sawada, 1956) ホソミズギワ-【九】
■D. longicornis Sharp, 1889 ヒゲナガホソミズギワ-【北・本・隠・四・九】
■D. okinawanus Y. Watanabe, 1985 オキナワホソミズギワ-【沖縄】
■D. yaeyamanus ヤエヤマホソミズギワ-【西表】
四国にいるのは全部D. longicornisで皿ヶ嶺や演習林などの渓流で極普通。
研究室には対馬のD. coreanusの雄の標本がなかったので昨年対馬に行った際に採ってきました。本属の種は名前の通り水際に生息しているため、渓流沿いの落ち葉やゴミを篩うと比較的簡単に採集できます。
食性は肉食で渓流沿いにいるトビムシなどをムシャムシャと食べます。
確かに外見上はセスジハネカクシやヨツメハネカクシの仲間のように見えますが、腹部の末端節や交尾器を見るとあぁなるほどとシリホソハネカクシにされているのも頷けます。
水際にいるハネカクシは何となく全体的に'細長く'なるイメージが有ります。
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