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標本写真や白バックで簡単に白抜きする方法:トーンカーブ 白色点を設定

白バック写真を撮るときは事前にホワイトバランスの設定を"マニュアル"にして撮影する。

これは虫の写真を撮る前に、ただの白い紙を「実際に撮影するのと同じ光条件」であらかじめ撮影しておき、その画像を読み込んでカメラに「この光の条件でこの色(紙の色)を白だと認識しろ」と設定した後に撮影する。

これが案外難しく、完璧に設定して撮影したつもりでもあとからモニタ上で見てみると結構色カブリを起こしているので、うまくいかなかった場合には撮影後にphotoshopで修正してやる。

補正の方法は色々あるが、今回はごく簡単に補正する方法を紹介する。


Img_3080
いい加減な設定で撮影したアカジマトラカミキリの白バック写真(悪い例)。

盛大に赤かぶりをしている。

この写真はいかにもひどいが、ストロボを使うと多少なりとも赤側に色かぶりすることはよくある。野外ではほとんど気にならない程度でも、白バック写真や標本写真の場合はかなり目立ってしまう。

これでもまあ気にならないという人なら問題ないが、やはりきちんと補正しておいたほうが綺麗だし、何かと流用もできるので便利。

撮った写真を詳しく見てみよう。

Img_3080_1

写真の「本来真っ白でなければいけない場所」を任意に三点切りだして比較してみる。

A:画像の上端
B:虫のすぐ脇
C:画像の下端

Photo1

右下は比較のための完全な白(RGB値がFFFFFF)の状態。こうして見るとあまり気にならないようにも見えるが、下の場合のようにトーンを変えて目立たせるとかなり汚いことがわかる。

Photo2


色カブリに加えて背景の白飛びがいまいちなので、バックに使ったわら半紙の繊維が見えてしまっている(そもそも背景にはもっといい紙を使うべきである)。

これに対してトーンカーブを使って補正してやる。

2010y09m18d_153353640

通常大切な写真であれば元データをいじらないために背景の上に新規の調整レイヤーをかぶせて補正していくところだが、今回使用するのは別にたいした画像ではないので元データごと「ctrl + M 」のショートカットでトーンカーブを呼び出して
直接編集してやる。

あとから修正したり微調整したりしないのであればこれでも問題ない。

Tone001

トーンカーブを呼びだしたら、下に並んでいる3つのスポイトツールのうち「白色点を設定」のスポイトをクリックし、画像の「本来白でなければいけない場所」を一度だけカチッと適当にクリックする。

場所はどこでも良いし、結果が思わしくなければ何度でも再サンプリングできるので、これくらいの色の場所をクリックするとこうなるのかという感覚をつかむことが大事。

Tone002

そうするとRGBチャンネルが自動的にズレて「白でなければいけない(のに白になってなかった)場所」が「白」になるように補正され、画像全体のいろが調整される。

Img_3080_2allafter

補正してやった結果、だいぶ背景が綺麗になった。

Photo3

先ほどとまったく同じ場所を再び切りだして比較してみる。

Photo4

さっきとまったく同じ設定でトーンを変えて見てみると、先程に比べてかなり色カブリが改善され、十分白が飛んで汚れが吹き飛んでいることがわかる。

画像の上端ではまだ少し汚れが残っているので、背景色を白に設定した後に硬さを30-50くらいに設定した柔らかい消しゴムでなぞって消してやる。

消しゴムの硬さを柔らかめに設定するのはきちんと補正されなかった場所(完全には白になっていない場所)と消しゴムで消されて背景色(この場合は白)との境界を目立たせないようにするため。

写真のBあたりが汚いと消しゴムで消すのも苦労するが、AやCのような虫体およびその影から離れた場所だと消すのも楽ちん。


Img_3081_2

最終的に以前アップロードしたように綺麗にバックが飛んだ写真になる。

白バック写真は虫本体よりもバックの白い紙に写りこんだ影が綺麗に出ていないと魅力半減なだけにバックの処理には注意したい。

影だけを綺麗に残してバックを飛ばすのは意外に面倒臭いが、このようにトーンカーブの「白色点を設定」を使って飛ばしてやれば、かけた労力のわりには綺麗に処理することができる。

ムチャクチャ時間をかけて丁寧に補正する場合も必要な時はあるが、基本的にはできるだけコストパフォーマンス(かけた労力(時間)/結果)の良い処理を行うべきである。

この方法は標本写真でも同じように使えるが、標本写真の場合、白バックと違って影を残す必要がなく、また微小な甲虫の場合にはどうしても台紙が映り込むので、僕は許容範囲を5~15くらいの極小に設定した自動選択ツールでshiftキーを押しながら丁寧に選択範囲を読み込んでいって直接切り抜いてしまっている(もちろん切り抜く際には選択範囲の境界線をぼかさないと大変なことになる)。

画像の切り抜きに関しては色カブリの補正よりもさらに奥が深く、様々な方法があるようだ。

以前MdNのDTP関係の雑誌で「画像の切り抜き」だけをテーマにした特集があったが、それくらいいろいろな方法があるので、また次回紹介したい。

バックが飛んでいるか、それとも汚れが残っているかは、椅子から立ってモニタを斜め上から見下ろしてやるといいと思う。こうすると一見綺麗にバックが飛んでいるように見えても案外汚れが残っていることがわかる。

Hito_3  

ノートパソコンを使っている人は椅子から立たなくてもモニタを斜めに傾けるだけでもよい。

Hito2

この作業をしないまま白バック写真を印刷用途に使おうとして悲惨なことになっている例をたまに見かける(モニタで見る分には解像度が低いので多少の汚れは問題ないが、商業印刷用の高解像度のプリンタは微細な汚れもしっかりと表現してしまう)。


イメージとしては小姑が新妻の掃除の甘さを嫌味たらしく責めるときのような気分で画像の汚れを探して補正していくとよい。


例:「あ~らっ、〇〇さん、これでホントにお掃除したおつもりなのかしらっ?こんなにも汚れが残っているじゃないっ!まったく私の若い頃にはもっと(略)」

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