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「緒言」を「しょげん」って読む人って何なの?



学会発表などでよく「緒言」という漢字を「しょげん」と読んでいる人がいて、それを聞くたびにちょっと笑ってしまう。

別に「読み方がおかしい」と馬鹿にして笑っているわけではなく、昔あったちょっとした出来事を思い出してしまうのだ。

はじめに言っておくと、この「緒言」という漢字の読み方は「しょげん」でまったく正しく、辞書にも確かにそう書いてある。





今から2年ほど前のころである。

僕が修士2回生の頃、秋口に修士論文の中間発表会があり、所属コースの学生や先生が集まってみんなの前で発表会を行った。

そこで僕の友達がプレゼンの中でこの「緒言」を「しょげん」を読んだことがあり、それが発端だった。



その友達のプレゼンが終わり、司会者が通例通り「何か質問のある方はいらっしゃいませんか?」と聞いたとき、とある研究室のとある先生が発言した。




その発言の内容および言い方は、今でもはっきりと思っている。




とある先生:「・・・君ネェ~、今さぁ、発表の最初に「緒言」という漢字を「しょげん」と読んだでしょ?・・・違うんだよぉ。この漢字はネェ~正しくは「ちょげん」と読むんだよぉ~・・・フフフッ・・・君ネェ~、学部生じゃあないんだから、修士の学生ならこんな漢字くらい読めないとネェ・・・」




発表を聞いていた学生も、他の先生も、その場の居合わせた全員の心がひとつになるのを、僕は確かに感じた。





全員:(ウザッ)





文字にするとイマイチ伝わらないかもしれないが、その先生のあまりにウザイ言い方に、聞いていた僕は思わず鳥肌がたってしまった。


僕は漢字の読み間違いを指摘するなと言っているわけではない。

漢字の読み方が間違っていることなど往々にしてあることであり、発表を聞いている教官がそれを指摘するのは当然のこと。

ただそんなのは発表が終わってから「アホ、読み方違うぞ」と言ってやればすむ話で、質問の時間が限られた貴重な発表の練習なのだから、発表の内容に対して意見をしてあげるとか、喋り方を指摘してあげるとかすればいいものを、「あぁ、"鬼の首とったような"ってこういう時に使うんだろうなぁ」という言い方で、15分の発表に対する唯一の質問として漢字の読み間違いを敢然と指摘した大先生。


せっかくの機会なのだからもう少し生産的な質問なり意見なりをしてあげればよいのに・・・とその場にいた全員が思ったはずだ。今では見る影もないがそもそも今はそういうために設けられた時間であったはずだ。


もっとも、同時にその場にいた全員がこの先生が"こういう先生なこと"を知っており、これは言わばうちのコースでは「暗黙の了解」的なものだったので、大して気にする人もいなかったと思う。


発表者の学生も「はい。すみません。気をつけます」とサラリと流した。



先生:「修士の発表なんだからさぁ~・・・もっとさぁ~」←まだ言ってる



本来ならば、ここで全員が「あの人は相変わらず」という事実を再確認するだけで終わる話だったのだが、その瞬間である。



突然別の先生がサッと手を挙げ、発言したのだ。



それも最初に発言した先生には見向きもせず、発表している学生に向かって、ものすごい爽やかな声で




別の先生:「"緒言"って漢字はね、辞書で調べると「しょげん」でも「ちょげん」でもどっちでも正しいから、気にしなくて良いよ







「場の空気が凍りつく」っていうのはこういう時に使うんだろうなぁと思った。




なぜならその別の先生の「気にしなくても良いよ」という発言の前に「あのバカのことは」というのが確かに省略されていることを、みんな空気で感じてしまったからだ。


かわいそうなのは発表していた学生である。気まずい空気を半笑いでごまかすしか無く、どちらの先生の意見に対してなのか、力なく「はぁ・・・」と答えるしかなかった。


何か、もう全てがいたたまれなくなり、その場を逃げ出したいような空気になってしまった。



そう、「緒言」は「ちょげん」と読む場合もあるが、「しょげん」でもまったく問題ないのだ。国語辞典にも二つの読み方が併記されている。


僕はこの時以降、学会発表や何かで「緒言」が出てくると、どうしてもこの気まずい空気を思い出してしまう。

この時のことは「緒言事件」としてうちのコースに代々語り継いでいきたいと思う。




ちなみにこの最初に指摘した先生は、惜しまれながらも翌年転勤していった。

あそこまで良い評価を聞かない先生も、珍しいなぁと思った。

大学のセンセイにはいろいろな人がいる。

素晴らしい先生もいるし、そうでない先生もいる。

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コメント

大学助教をしている者です。
学部生へ指導するとき「どっちなんだろう」と疑問に思っておりましたが、おかげさまで解決しました。
ありがとうございます!

投稿: ユグドラ | 2011年11月15日 (火) 10時05分

検索してゐたら、面白い記事にあたりました。
その学部生さん、ちよつとした災難でしたね。

どのやうな立場であれ、場の趣旨に沿ふべき時つて、
ありますよね。
そんなことを考へました。

旧記事へのコメント、失礼しました。

投稿: T-T.N | 2012年3月 4日 (日) 18時40分

ふと読み方が不安になりこちらにあたりました。
いかにもありそうな状況で、笑ってしまいました。
ちなみに、しょげん派です。

投稿: em | 2012年5月22日 (火) 12時58分

旧記事へのコメントすいません。
「緒言」を「しょげん」と読んでいると「諸言」と誤変換してしまうことがあるので気を付けてください。経験者です(笑)

投稿: Da | 2013年9月 1日 (日) 09時38分

すまないが・・・だから何?

この文章のおかしな(なりたっていない)ところは、『しょげんと聞いて、なぜ笑いにつながるのか、あなたの考えが詳細に書かれていないから』だ。

どうとでも受け取れる。ゆえに笑いにつながらない

そう、あなたの大学が対して水準の高くもない、底辺なところであることもね

投稿: | 2015年2月18日 (水) 10時07分

何年も前の記事の何ヶ月も前のコメントに反応しちゃうけど、上のナナシさんのコメントの最後の行はいらないでしょ。
そんなこと書くあなたが底辺の人格です。

ちなみにここへはこの「諸元」ってどう書くか調べていてたどり着きました。

投稿: ひらどら | 2015年9月12日 (土) 10時38分

この記事へは緒言の読み方検索で来ましたが、まさか自分の大学の同じコースの先輩が書かれているとは思わずびっくりしました笑 そんな先生がいたんですね…うわぁ

自分も何年も前の記事の何ヶ月も前のコメントに反応しちゃうけど、上のナナシさんのコメントの最後の行、これこの記事の中の教授とおんなじような人間ですな。愛大農学部昆虫学はレベル高いって他の大学からも評判なのに…こんなこと書く人こそ底辺中の底辺だな~かわいそうに…

ひらとらさんありがとうですな

投稿: | 2015年12月13日 (日) 23時02分

あまりに酷い記事の内容に驚き。
底辺ですね。
わかります。

投稿: | 2016年2月 7日 (日) 15時18分

んふふ。微笑ましい。
確かに論文のテニオハやひどいのになると、現在ではこの様なときには漢字を使わずひらがなで記すべきだ、のような論旨と関係のない事を逐一指摘する人も居ます。
例えばいまつかった「この様な」は「このような」でなければならない、とかね。斯様でも此の様でもなんでもいいじゃん、と思いますね。非生産的。

ついで私の記憶の中で似たような事件では
卒業祝いの会食で卒業生の代表が、最後の挨拶で
「何卒よろしくお願いします」
というところを
「なにそつ! よろしくお願いします。」
と言っちゃった事ですね♪

投稿: こだわり | 2016年10月 5日 (水) 16時34分

ただの世間話に底辺とか言う底辺いて少し笑った。

投稿: | 2016年11月29日 (火) 13時17分

教育実習経験しているので気持ちわかります。人前で何かを発表することで普段はわかることが分からなくなったり
これで合ってるの?と不安にあることもあるので些細なミスをいちいち露骨に拾うのはどうかと思いますね。

底辺だとか言ってる人は人前で発表したことがないのでしょう、、、あの恐怖と緊張は体験しないとわからない

投稿: | 2016年12月 1日 (木) 00時03分

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