Adobe Premiereは米Adobe社から出ている動画編集ソフトである。
Adobe Premiereという名称は2002年発売のバージョン6.5を最後に、その後はAdobe Premiere Pro1.0と名称が変わった(これが2003年)。この際に機能限定の簡易版であるAdobe Premiere LEもAdobe Premiere Elementsと名称変更になっている。
Adobe Premiere Proは1.0、1.5、2.0とバージョンを重ね、2008年にAdobe Premiere Pro CS3としてCSシリーズに統合された。
■2002年:Adobe Premiere 6.5 ↓ ■2003年:Adobe Premiere Pro 1.0 ↓ ■2008年:Adobe Premiere Pro CS3 ↓ ■2010年:Adobe Premiere Pro CS5/CS5.5【現行最新版】
Adobe Premiere Pro1.0
Twixtor(ツイクスター)はTwitterのクライアントソフトのような名前だが、そうではなく、これはAdobe Premiere Pro、Adobe After Effects、Final Cut Pro (Apple)といった動画編集ソフトで使うプラグインソフト(単独では動作せず、特定のアプリケーションの機能を拡張させるソフト)である。
僕の使っているCANON EOS 7Dには動画撮影の機能があり、それを使うと1980×1080というフルHDの高画質の動画が撮影できる。
ただこのフルHD動画を撮影する場合EOS7Dの能力だとフレームレートが30fps/24fps固定になってしまうので、実際にはフルHDから画質を一段落としてHD画質(1280×720)にし、60fpsで撮影することが多い。
フレームレート(単位fps)というのは、文字通りの意味で1秒あたりのフレームの数のことである。
突き詰めて言えば、動画は静止画を連続して撮影してそれをパラパラ漫画のように連続して動かすことによって成り立っている。
このパラパラ漫画の1秒あたりの枚数がフレームレートであり、例えば60fpsなら1秒間に60枚の画像をパラパラとめくって動画を表現する(だから当然60fpsで撮影する場合シャッタースピードは1/60よりも遅くはできない)。
Twixtorはこの60fpsで撮影した動画を後から無理やりフレームレートを変えてしまうプラグインソフトである。
例えばフレームレートが60fpsで1.5秒間の動画を撮影したら、含まれるフレームの数はいくつだろうか?
答えは60fps×1.5秒になり、この動画には90枚のフレームが含まれていることになる。
Twixtorはこのフレームレートを無理やり任意のフレームレートに変更することができる。
例えば60fpsの動画を無理やり300fpsの動画にすることができる。
60fpsで1.5秒間の動画を無理やり300fpsに変換したらどうなるだろうか。
含まれるフレームの数は当然元の90枚から450枚に増える。
ではこの増えた分の360枚分のフレームはどこから来たのだろうか。当然僕は撮っていない。僕が撮ったのは1秒間にたったの60枚のフレームである。
これはTwixtorが前後のフレームを解析して無理やり中間のフレームを作りだしたのである。
このTwixtorのデモ版を使ってテスト動画を撮ってみた。
室内で机の上に水のなみなみと入ったドンブリを用意し、そこにタマネギを上から落としてみた(このテスト動画を撮影した結果、当然の成り行きで僕の部屋はビショビショになった。このタマネギはその日の夕食になった)。
ドンブリに水をなみなみと入れて
上からタマネギを落下させる
バシャンッ!!
動画は1280×720(60fps)で撮影し、後から変換ソフトで720×576サイズの無圧縮aviファイルに変えてからAdobe Premiere Pro1.0で編集した。
aviファイルに変換しなくてもAdobe Premiere Pro1.0でmovファイルをネイティブで編集することは可能だが、僕のパソコンでそれをやろうとすると処理能力の限界を超えてしまうので一旦別のソフトで変換した動画をシーケンスに突っ込んだ。
60fpsの動画を120fps(2倍)、300fps(5倍)、600fps(10倍)のフレームレートにし、それぞれ再生スピードを100%と70%にしてある。元の動画は正確に1.00秒であり、含まれるフレーム数もちょうど60枚である。例えばこれを600fpsに変えて60fpsのシーケンスで再生すると、再生時間も10倍の10秒間になる。
1秒間の動画を10秒間にするということはつまり1/10倍速のスローモーション動画になる。
VIDEO Twixtorのデモ版(試用版)なので動画にバッテンが表示される。バッテンを消すには買えということ。
結果としては600fpsではかなり酷いゴーストが出てしまったが、パラメータをいじることでかなり改善できるようだ。
厄介なのは僕のパソコンの性能ではこのTwixtorを適用した動画はレンダリングが終わって動画が完成するまで正式な結果がわからない。 途中で再生しようとするとPremiere自体が落ちてしまう。 レンダリングにも凄まじい時間がかかり、パソコンのリソースをすべて食い尽くしてしまう。その間パソコンの排気口からは常に小型ファンヒーター並の熱風が吹き出している。 またレンダリングが4450/4500くらいになってようやく終わりか・・・と思ったらCPUが限界を迎え、突然Premiereが強制終了になってしまった時は、我慢強いことで有名なわたくしもさすがに泣いた。
YoutubeでTwixtorで検索すると綺麗な動画がいっぱい出てくる。
More Super Slow Motion [Water] - 550D from Rickard Bengtsson on Vimeo .